DBSについて知る
DBSのリスク・副作用
DBSのリスク
手術に伴うリスクは、ほかの定位脳手術のリスクとほぼ同じです。下記に示すような合併症が考えられます。これらの合併症が発生する確率は非常に少ないですが、発生した場合は重篤化することもあります。また、手術後にその他の不快な症状が現れることがあります。これらの症状が発生した場合は、すぐに医師にご相談ください。この他のリスクについても、医師によくご確認ください。
- 脳内での出血
- 脳付近での脳脊髄液の漏れ
- 感染症
- 植込み材料に対するアレルギー
- 手術部位の痛み
【参考】DBS Study group共同研究より
頭蓋内出血 |
感染 |
てんかん |
その他 |
1.8% |
2.8% |
0.0% |
1.8% |
- 症例数457症例
- 協力施設
国立病院機構宮城病院、順天堂大学医学部、日本大学医学部、千葉大学医学部、
名古屋市立大学医学部、京都きづ川病院、財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院、
たかの橋中央病院、熊本大学医学部
- シングル式とマルチ式含む
- 2007年-2009年に手術をした患者さんが対象で追跡期間は1年以上
- 頭蓋内出血の内、重篤な(後に後遺症が残った)ものは1例
- 死亡症例は0例
- その他は断線、突っ張り感、リードの露出、皮膚の浸食など
DBSの副作用
これまでのDBSの使用実績によると、脳に刺激を与えることで発生した副作用のほとんどは軽いもので、神経刺激装置のスイッチをOFF(切)にして刺激を止めると消失します。これらの副作用は医師が刺激条件を調節することにより、症状の消失や軽減が可能です。これまでの実績から、以下のような副作用が発生する可能性があります。
- うずくような感覚(知覚異常)
- 一時的な症状の悪化
- 話をしにくくなる(言葉の障害)
- 視覚の障害
- めまい
- 不随意運動などの運動障害
- 顔や手足の筋肉の強張りやしびれ
- 軽いショックを受けるような感じ
執筆藤本 健一 先生(自治医大ステーション・ブレインクリニック 神経内科)